Luva xRosalia Summer Festival [2002/08/01-08/31]
「お題頂戴!いざ勝負!」三試合目/2002/08/25- 31
参加者:カプさん/ネッシーさん/紀更 和さん/ゴル子13さん/Woodstockさん/chickadee

「お題頂戴!いざ勝負!」三試合目 投稿者:カプ  投稿日:2002/08/25(Sun) 22:52 No.27
「ルヴァ様〜どこにいらしゃいますの〜ルヴァ様〜」
「ルヴァ様ー!出てきて下さーい」
二人の女王候補の声が聖殿に響いた。
二つの大陸は共に地の力を必要としているのに、ルヴァの姿が見あたらないのだ。
廊下の大声を聞きつけて何事かと顔を出したゼフェルは、二人の少女に詰め寄られる事となった。
「ゼフェル様、ルヴァ様がどこにいらっしゃるかご存知ありません?」
「ゼフェル様、ルヴァ様を知りませんか?」
「あ〜ステレオでキンキン喚くな!目眩がしてくるぜ!大体ルヴァが居そうなトコは決まってんだろ。」
お題 ネッシー - 2002/08/25(Sun) 23:46 No.28
おじゃましまーす。
お題は「台風」でお願い致します。
2話目 chickadee -  2002/08/26(Mon) 11:46 No.29
膨れっ面でロザリアが言った。
「執務室にも書庫にも王立研究院にもいらっしゃいませんでしたのよ」
焦れを少しも隠さずにアンジェリークも言った。
「オリヴィエ様のトコロやリュミエール様のトコロも見て来たんですっ! クラヴィス様の執務室にもお訪ねしました。相変わらず真っ暗ですっごく恐かったんですからねっ!」
女王候補達の剣幕に押されながらゼフェルは
「じゃー釣り場は?」
と、いかにもルヴァの行きそうな場所を挙げたのだが、声を揃えて返される。
「「森の湖から小川まで、私達ず〜っと探しました!」」
3話 chickadee -  22002/08/27(Tue) 02:25 No.30
「そうかよ……」
顔を引きつらせたゼフェルは、再び少女達に問いかけた。
「で、おめーらは何でルヴァ探してんの?」

 少女達は揃って口を閉じた。台風の目の中にいるように、急に辺りの空気がシンとしたものになる。いぶかしむゼフェルの前で互いに肘討ちなどして、少女達は中々応えようとしなかった。
(何やってんだか)
と踵を返しその場を去ろうとしたゼフェルだったが、マントの端を二人一緒にギュッと捕まれて、思わず首が締まりかける。
「……ンだよ、てめーら!」
振り向いてそう怒鳴りつけようとした彼に、まずアンジェリークが言った。
「私は、育成のお願いがあるんですけど――」
アンジェリークはためらいがちに隣の少女を盗み見る。
 ゼフェルも次の言葉を促すようにもう一人へと目を向け、極まり悪気にロザリアも口を開いたが、
「わ、わたくしは……その――」
と、彼女はなかなか理由を話さない。

 ゼフェルは、改めて二人の女王候補達を見比べた。普段なら「育成」の何のと固い話をするのはロザリアで、休日に遊びに行くとかおやつを一緒に食べようだとかいった話題を振って寄越すのはアンジェリークと相場が決まっているのに、どうやら今日はそうではないらしく、正直なところ、ロザリアの返すはずの答にゼフェルは興味津々でもある。
4話目です 紀更 和 -  2002/08/27(Tue) 03:41 No.31
 じっと注がれる二人の視線に、さすがのロザリアもゴクリと息を飲んだが、すぐにいつもの冷静さを取り戻した彼女は背筋を伸ばし、高飛車にゼフェルから視線を逸らしつつ「ゼフェル様には関係のない事ですわ」と言ってのけた。
 勿論、ゼフェルがこういうロザリアを前にして面白い筈はない。だが、ツンとした顔で横を向いているロザリアに何か言いかけた時、遠目にジュリアスがこちらへ向かって歩いてくる姿が、彼の視界に入った。
(やべぇ、ジュリアスの野郎だ。こんなところで女王候補と喧々やりあってたら、すぐに説教食らっちまう)
 アンジェリークとロザリアも、近づいてくる足音に気づいてジュリアスの方へと振り返った。
(…ちっ、ロザリアの野郎はちょいとムカつくけど、ここは一旦退散したほうが良さそうだぜ)
 二人の女王候補がジュリアスに気を取られている隙に、ゼフェルは気づかれないよう自分の執務室へと戻った。
「…!」
「あっ、ゼフェルさ…」
 アンジェリークとロザリアが背後にあるはずの気配が消えた事に気づいた瞬間、ジュリアスがいつもと変わらぬ厳格な様子で声をかけてきた。
「どうしたのだ、二人とも…。何か試験で問題でもあったのか?ならば、私に申してみるが良い」
「え?あ、あの…」
「えっと…」
 二人の女王候補は互いに言葉に詰まりながら顔を見合わせた。
5話 ゴル子13 -  2002/08/28(Wed) 03:52 No.32
おずおずと顔を上げてロザリアが言った。
「ルヴァ様がどこにいらっしゃるのか御存じでしょうか?」
つられたかのようにアンジェリークが頷いて同意を示す。
ジュリアスに
「いや・・・今日は見ていないが」
と言われて少女達は同時に肩を落としたが、再び同時にやおら顔を上げて
「それでは」
と言い、その場を去る。
飛空都市の清掃は行き届いているのだが、妙に急ぎ足で進む少女達の周りには土埃が舞わんばかりのありさまだった。
後に取り残されたジュリアスはついついきょとんとしてしまう。
6話目 カプ -  2002/08/29(Thu) 02:38 No.33
「私は、どうしても、今日、ルヴァ様に、力を、送って、いただかないと、困るの」
早足で歩くアンジェリークが息を切らしながら並んで歩くロザリアに話し掛ける。
「わたくしも、今日、力を、送って、いただければ、明日からの、成果が、違って、きますわ」
鼻の頭にうっすらと汗をかいたロザリアが答える。
「ロザリア、一休みしましょうよ」
中庭の東屋の側でアンジェリークが立ち止まる。
「よろしくてよ」
日陰になる所を選んでロザリアは腰を降ろす。
「ねえ、私たちがルヴァ様を探した場所は・・・」
二人で指を折りながら、数え始めた。
「まず、執務室と書庫、研究院よね」
「それから、水辺とオリヴィエ様リュミエール様クラヴィス様の執務室」
「ジュリアス様とゼフェル様はご存知無かったわね」
「残っているのは、ランデイ様、オスカー様、マルセル様の執務室と占いの館、それから・・・公園」
二人は顔を見合わせ同時に叫んだ。
「「公園の噴水!!」」
7話目 chickadee -  2002/08/29(Thu) 12:26 No.34
 少女達は急ぎに急いで公園へと向かった。門を潜り、中央に設けられた噴水が見えてくるや二人は走り寄り、飛沫で髪や服が濡れるのも構わずに水面を覗き込む。「女王候補の会いたい人の居場所がわかる」という摩訶不思議な水鏡に向かって、二人は真剣にルヴァを思い念じた。
 水面の向こうに、ターバンを冠った青年の姿が揺らぐ。足下には咲き群れる花に埋もれているかのようだ。

「ここって……!」
アンジェリークが思い当たった場所を挙げた。
「お花畑ね!!」
そして、二人は顔を見合わせるとがっくりと肩を落とした。
 湖のある森の奥深くに位置する花畑は、普段は封鎖されており、女王候補の立ち入りを禁じられているのだ。

 キッと顔を上げ、アンジェリークは言った。
「湖までなら私達だって行けるわ!」
ひらりと身を翻したアンジェリークは、ぼんやりと水面を見遣ったまま立ち尽くすライバルに気付くと
「そこで待ち伏せしよ!」
と急かすように言ったが、ロザリアは動こうとしない。
「どうしたの? ロザリアは急がないの?」
そう尋ねても返答は返らなかった。
8話 紀更 和 -  2002/08/29(Thu) 14:22 No.35
「…あ、そ、そうね。急ぎましょう」
 何か「心ここにあらず」な様子のロザリアを見つめ、少しだけ腑に落ちない表情になりかけたアンジェリークだったが、元気に彼女の手を引くと、湖へと向かって駆け出していた。


 湖へやってきたアンジェリークとロザリアは、休日とはうって変わって人気のない湖畔で、少しヒンヤリとする水辺独特の空気に包まれながら、小さな滝のさらに奥へと続く小道へと視線を移した。
「噴水の示す場所に、今まで間違いはなかったわよね」
「え、ええ…」
「じゃあ、間違いないわ。うん!」
 一人気合入りまくりな様子のアンジェリークは、自分の予想を信じて疑わなかった。だが、傍らのロザリアは何か考え事にでも耽っているのか、先ほどから浮かない顔をしている。
「……ねぇ、ロザリア。貴方、もしかして…」
「え?な、何よ。急に改まって」
「ルヴァ様の事……」
 すると、ロザリアは朱に染まりそうな頬の微かな火照りに気づき「ぷい」と横を向いた。
「ばっ、馬鹿言わないで頂戴!ルヴァ様は守護聖様で、わたくしは女王候補なのよ?そんな事あるわけないじゃない」
「あ〜っ、赤くなってる〜!ロザリア、照れてるの?」
「失礼ねっ!人の顔をそんな風にじーっと覗き込むんじゃないの!」
「ふふっ、やっぱり噂は本当だったのね。ロザリアがルヴァ様の所へ日に1度は伺ってるっていうウ・ワ・サ♪」
 ロザリアの頬はますます赤くなり、彼女は呆れ混じりに呟いた。
「…あのねぇ、アンジェリーク。貴方みたいにわたくしは能天気ではないの。ルヴァ様のところへ伺っていたのは、フェリシア上空にここの所妙な気象変化が生まれつつあるから…その対処について、博学でらっしゃるルヴァ様からお知恵を拝借していたという、それだけよ」
 アンジェリークはやや疑わしげな表情になったが、ダメ押しとばかりにロザリアは、そんな彼女へさらに言葉を続けた。
「この際だから、ライバルとしてアンタに言っておくわ。だいたい、守護聖様に女王候補が個人的感情で接するなんて事自体、そもそも不謹慎じゃないの。守護聖様方はお忙しい執務の合間を縫って、わたくし達の相談に乗ってくださっているのよ?わたくし達だって同じく真摯な気持ちでそのご期待に応えなければ…」
 ロザリアが、そこまで言いかけて急に言葉を止めた。彼女の視線がある一点に固定されたまま、動かなくなってしまった事に気づいたアンジェリークが恐る恐る振り返ると、そこにはやや複雑な顔をしたルヴァが立っていた。
9話 Woodstock -  2002/08/29(Thu) 18:04 No.36
自分達を取り巻く微妙な雰囲気に耐えきれず、アンジェリークが
「ルヴァ様っ、私達ずーっと探してたんですからねっ!」
と声を上げたが、
「あ〜それは……どうもすいません……」
などと言ったきりルヴァの言葉は続かず、ロザリアは固まったままだった。

このてのことにかけてはライバルよりもはるかに優れた才能を持つアンジェリークは、速やかに(噂は鉄板――則ち「固い」)と気付き、さらにはルヴァ側の思惑に興味を持ち出した。

「えっと、エリューシオンは地の力をた〜っくさん求めているんですけどぉ〜」
取りあえず自分の用件を告げつつ、ルヴァの顔を覗き込みその視線の先を追った。

見られていることに気付いたルヴァはアンジェリークに向かって微笑んで見せ、いつもの調子で言った。
「あ〜、はいはい、たくさん育成するんですね?わかりました、ちゃんと力を送っておきます」

(さ、さすがだわ。古狸ってやつね……)
ならばロザリアの方は?とアンジェリークはライバルへと視線を移したが、こちらはまだまだ年若いせいか修行が足りないのか(おそらくは両方)、気まずい表情のままになんだか肩を落している。
10話 chickadee -  2002/08/29(Thu) 22:55 No.37
「じ、実は……」
ややあってロザリアはためらいつつも重い口を開いた。
「フェリシア上空で起きた気圧の変動が、異常な数値を見せておりますの」
「ええええ〜〜〜〜〜〜!?」
これはルヴァの驚愕の声である。

 素頓狂な悲鳴にびくりとなったアンジェリークは、更に驚くべきものを見ることになる。
「あの一帯はまだあまり安定しておりませんし、最悪、壊滅状態になってしまいますわ」
そう言ってロザリアは両手で顔を覆い、しくしくと泣き出したのだ。
しゃくりあげながらロザリアは続けた。
「せっかく…… せっかくあんなに多くの時間、御一緒に対策を立てていただいたのに…… 申し訳ございません……」

 物も言わず進み出たルヴァが、ロザリアの腕を取って歩き出した。思わずアンジェリークも一緒に付いて行ってしまう。血相を変えたルヴァなど初めて目にしたし、覚束ない足取りで引きずられるようにして進むロザリアが心配でならなかったからである。
遅刻〜〜 カプ -  2002/08/31(Sat) 12:17 13:49 No.38
ロザリアを引きずる様にして研究院についたルヴァは、パスハに依頼して大陸の映像をスクリーンに表示させた。
「これは、また・・・」
ルヴァが驚きの声を上げる。
フェリシアの海岸線から少し離れた海上に、雲の渦が発生していた。
「台風が出来ちゃってますね」
ルヴァがキーボードを操作し、いくつか情報をプラスすると、映像に台風の進路予想が重なって表示される。
「ロザリア、こちらへ・・・アンジェリークもね」
進路予想はフェリシアを横切り、2つの大陸に挟まれた海に出てそこで消えている。
「エリューシオンにも少し影響が出るかも知れませんね」
ルヴァの示唆にアンジェリークは首を振った。
「ルヴァ様、あの辺りは私が最初に育成したので・・・なんて言ったらいいのかしら・・・気象の急変には免疫があるの。だから大丈夫」
ロザリアは映像を見つめ口元に手を当て、今にも倒れそうな顔色で立ち尽くしている。
「どうしたらいいのかしら。わたくしの大陸が・・・」
ルヴァは小刻みに震えるロザリアの肩に手をかけようとして、途中で止めた。
「ロザリア、この台風は、このまま通過させるしかありません」
ルヴァの言葉にロザリアが振り返る。
「進路を変える方法か台風を消滅させる方法はありませんの?!」
青い瞳に浮かんだ涙を見ないようにしてルヴァが首を横に振る。
「出来なくはありませんが、無理に進路を変えれば他に歪が出てしまいます。台風を消滅させてもそのエネルギーは残りますから、それがどんな形になって表れるか」
「それでは、どうしようも無いと・・・」
大陸の時間は早く流れる。
見る間に雲の渦はフェリシアを横切り、そして消滅した。
「大陸は・・・あれでは・・・ひどい被害が出たはずよ・・・どうしたらいいのかしら・・・」
よろけたロザリアをアンジェリークが支えた。
「大丈夫よ。ロザリア。人が死に絶えない限りまた大陸は発展するわ。もっと強くしたたかにね。私の民はそうだったわ。あなたの民は違うの?」
放心状態だったロザリアの目に気力が戻った。
「あなたの民に出来て。私の民に出来ない事はないわ。たかが台風一つ見事に乗り切って見せるわよ」
アンジェリークが勢いよくロザリアの背中を叩く。
「それよ、その気構えが大切!あのね、こんな災害の後は送って頂く力の順番で復興の早さに差が出てくるの・・・」
ロザリアの肩を抱くようにアンジェリークが話し掛ける
「わたくし、それは知りませんでした」
「そうね、ロザリアの大陸は今まですごく安定してたから・・・やっと私がロザリアに教えて上げられる事を見つけたわ」
「あんまり自慢する事柄でもありませんわ」
「あ、だって人生思い通りにならない事のほうが多いのよ。それを何とかする方法も知っておかなくちゃ」

二人の少女の会話をルヴァは、微笑みながら聞いていた。
(女王候補の仲がいいのは喜ばしことです)
そんな心の片隅で仲が悪かったら、ロザリアを励まし支えるのは自分だったかも知れないとチラリと思う。
「まず大陸に下りて、様子を見て神官と話してくるのよ。なんて話せばいいのかなんて自然に心に浮かんでくるわ。ホラ、行ってらっしゃい」
アンジェリークに励まされ大陸に降りて、戻ってきたロザリアは少し腫れぼったい目をしていたが、もう普段の態度を取りもどしていた
研究院を出た3人。
前を歩くのは、二人の女王候補。腕を組んで今後の大陸復旧の手順を話し合いながら聖殿へ向かう。
後ろを守るように歩きながらルヴァは、心の中でため息をついていた。
(この二人の間に、割り込むのは・・・大変かも知れませんね〜)
そして、アンジェリークに思いを寄せている、守護聖の顔を思い浮かべた。
(お互い、厄介な相手に惚れちゃったもんです。何か変事が起こればこうしてピッタリ息を合わせて解決しようとするんですから・・・私はなんだかアンジェリークに焼餅を焼きそうです)

次の日もその次の日もロザリアは、復旧に必要な力を大陸に送った。
地の力は、緊急に必要とされてはいなかったので、ロザリアはルヴァを尋ねて来なかったがその夜もルヴァは、密かに大陸へと力を送った。

フェリシアの復旧も一段落した頃、ロザリアから手紙が届いた。
それは、地の力を送り続けてくれた事に対する丁寧な礼と、日の曜日に逢いたいと言う内容だった。
ルヴァは、ロザリアをつれてゆく場所はお花畑にしようと決めながら、承諾の返事を出した。


---END---

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